フジロックってお金も労力もかかりそうで、どうしても行く決意が固まらない…
その気持ち、よくわかります。かつての私もそうでした。
それが今や、フジロックは私の人生で欠かせないイベントのひとつです。
この記事では、私の人生を変えてしまったフジロックの魅力を解説します。
フジロックに行くか迷っているならぜひ読んでみてくださいね。
もくじ
音楽愛に溢れたラインナップ
ファンのツボを抑えたキャスティングが出来ているのがフジロックの大きな特徴です。
「フジロックらしい」ってなに?と聞かれたら表現が難しいですが、強いて言うなら「音楽愛に溢れた」でしょうか。
興行である以上、主催者は必ず収益を上げる必要があります。
一方で、あまりにも大衆向け過ぎるアーティストの招致は古くからのファンの反感を買う火種となります。
フジロックの場合はそうしたブレは一切なく、毎年確かな実力のあるアーティストが選定されます。
そうした明確な理念がフジロックを支える原動力となっているのです。
歴史に残る名演が生まれる
伝説のライブ
ありふれた表現かもしれませんが、フジロックでは毎年のようにそれが生み出されています。
過去には一体どんな名演があったのか?
ジョンフルシアンテの魂のギターに心が揺さぶられたレッドホットチリペッパーズ
東日本大震災の直後にも関わらず日本にかけつけてくれたケミカル・ブラザーズ
バンドの最後の舞台として最高のパフォーマンスを披露したザ・ミュージック
数を挙げればキリがありません。
その中でもフジロックの歴史に名を刻んだライブとしてご紹介したいのが2013年のナイン・インチ・ネイルズです。
ナイン・インチ・ネイルズ=嵐を呼ぶバンド
以前からそんな風に知られるバンドですが、この年のフジロックでその地位は不動のものとなりました。
フジロックでは毎年必ずと言っていいほど雨が降ります。
さらにナイン・インチ・ネイルズのライブでも昔からよく雨が降るのが有名です。
そのため、誰もがナイン・インチ・ネイルズが雨を引き連れてやってくるだろうと思っていました。
すると彼らは想像を越えて、雷まで連れてきてしまいました。
重々しく研ぎ澄まされた演奏の中、激しい雨とともに稲妻が走る。
さらにライブの終盤にはあれだけ激しかった雨と雷が止み、穏やかな終焉を迎える。
こうしたドラマティックな展開もあり、私の記憶に深く刻まれるライブとなりました。
あなたもフジロックにくれば伝説のライブの目撃者になれるかもしれません。
あなたの音楽観の視野が広がる
ロックはもちろん、メタル、ジャズ、R&B、ダンス、エレクトロ、まさに音楽の異種格闘技
こうした土台が築かれていたこともあり、2018年はヒップホップ系のアーティストであるケンドリック・ラマーがヘッドライナーに抜擢されました。
2019年現在、アメリカのヒットチャートはヒップホップが席巻しています。
今思えば、フジロックでもヒップホップアーティストがフィーチャーされるのは自然な流れでした。
しかし、当初の私は戸惑いを感じました。
ヒップホップ自体にそこまで抵抗は無かったのですが、どこかで自分とは違う世界の音楽だと思っていたのです。
フジロックはそんな私のヒップホップへの色眼鏡を取り払い、音楽観の視野を広げてくれました。
これまで触れたことがなかったケンドリック・ラマーの作品を聴き、その完成度の高さに衝撃を受け、今では彼の大ファンです。
これをきっかけに他のヒップホップ作品も聴くようになり、フジロックのおかげで音楽の世界は無限に広がっていることに気づけました。
アーティストの予習はフジロックの醍醐味のひとつです。
あなたも聴いたことがないアーティスト・ジャンルだからと思考を停止せず、フジロックが選んだアーティストをぜひ聴いてみてください。
きっとそこには新しい発見がありますよ。
あなたに選択の自由を与えてくれる数々のステージ
フジロックには大小あわせて16以上のステージが用意されています。
それぞれのステージについての解説は割愛しますが、ポイントはたくさんの選択肢が用意されているということです。
メインステージで1日中のんびり過ごすのも、多くのアーティストを見るためにステージ移動を繰り返すのも、小規模なステージを回ってマニアックなバンドを探すのも、全てがあなたの思うまま。
こうした選択の組み合わせによってフジロックには無限の楽しみ方が広がっています。
個人的なおすすめは、お目当てのアーティストまで時間がある時、気軽にふらっと近くのステージをのぞいてみることです。
音楽を好きになる瞬間は恋に落ちる過程とよく似ています。
たまたま出会ったアーティストにその後ドはまりしてしまうなんてこともあるかもしれませんよ。
音楽だけじゃない、心がくすがれる多様な演出
3日間の宴を盛り上げための多彩な演出が会場内に散りばめられており、会場の奥に入り込むほど多く見られます。
休憩エリアでは大道芸や落語などのパフォーマンスが定期的に繰り広げられているのに加え、入り口から最も遠いステージのカフェ・ド・パリまで行けばポールダンスまで見られちゃいます。
移動時に周りをよく見渡してみるのもおすすめです。
会場内にはアーティスティックなオブジェが多く設置されており、それらを見るのが毎年ささやかな楽しみです。
そしてもしフジロックに来たなら、ぜひこいつを探してみてください。
フジロックのマスコットキャラクター的な存在であり、会場を歩いているとたくさんのゴンちゃんを見かけることができます。
中には驚くようなところに潜んでいる場合もあるので、ぜひあなたも隠れゴンちゃんを探してみてください。
美しい自然が織りなす素晴らしい景観
多くの自然現象が起こり、時には厳しい側面も見せます。
その代わり、都会では決して感じることが出来ない多くの自然体験を私達にもたらしてくれます。
グリーンステージのバックに広がるコントラストの美しい山々、ホワイトステージの手前に流れる穏やかな渓流。
そうした美しい自然が織りなす素晴らしい景観は、普段せわしなく過ごす私達に安らかな気分を与えてくれるでしょう。
音楽を楽しみながらこうした特別な経験までできるなんてお得すぎませんか?
都会に疲れたという音楽好きの方、ぜひともフジロックに集合しましょう(^^)
食事が美味い、ウマすぎる
3日間という長丁場で現地の食事事情が気になるあなた。ご安心下さい。
フジロックでは地元新潟の素材を活かした料理や世界の多種多様な料理があなたの胃袋を満たします。
おススメはいくつもあるのですが、その中でもひとつだけ選ぶとしたら、やはり苗場食堂でしょうか。
ワンコインでフジロッカーの腹を満たすというコンセプトのもと、ごはんや味噌汁、漬物などが中心のシンプルなメニュー構成が特徴です。
その中でもぜひ食べて欲しいのが、とろろめし・きりざいめしです。
とろろは聞いたことがあっても、きりざいは知らない人が多いのではないでしょうか?
きりざいはフジロックの開催地である新潟の郷土料理で、野菜や漬物を細かく切り刻み、納豆を混ぜ合わせたものです。
フェスで不足しがちな野菜や納豆に豊富に含まれるタンパク質が同時にとれ、山もりのごはんでお腹も満たせる。まさに一石三鳥なメニューです。それでいてコスパも最高。
朝ごはんの時間帯にはこれを目当てにやってくるフジロッカーが殺到しますので、品切れになる前にぜひとも食べてみてください。
夜がふけるほど違った表情を見せる
DJパフォーマンスを中心に3日間を通して毎日朝5時までライブは続きます。
深夜のレッドマーキーには主に新気鋭の実力を備えたDJが揃いますので、朝まで踊りたい人はぜひどうぞ。
ライブ以外にもホワイトステージ終演後にはところ天国で映画上映、ゲートを出てすぐのパレスオブワンダーではパフォーマーによるショーなどが見られます。
とくに最終日の夜のフジロックは独特な雰囲気です。
終わりを名残惜しむフジロッカーたちが集い、それぞれのベストアクトについて感想をぶつけあっています。
私自身も友人とフジロックに行った時は、屋台で買った汁物をすすって身体を温め、それぞれのフジロックを語るのが定番でした。
一人で行くようになってからより自由がきくようになったので、体力の許す限り気ままに過ごしています。
山の奥地でやるからこそ深夜までどんちゃん騒ぎができ、時間の制限がほぼ無い3日間は、私達を眠らせることなく夢の世界へ誘ってくれます。
身も心もフジロックと一体になれる最高の3日間
フジロックに来たら3日間を全力で楽しむ以外に道はありません。
中途半端に帰ることもできないし、朝から晩までぶっ通しでフェスが続くということもあり、フジロックと自分とが一心同体なる感覚を覚えます。
はじめてのフジロックならこの記事で解説している通り、無理せず宿をとることをおすすめしますが、2回目以降にフジロックを訪れるならぜひキャンプに挑戦してみてください。フジロックでキャンプを行うとより深く同化する感覚が味わえます。
キャンプは不便なことも確かに多いですが、いつもと違う環境での宿泊は部活の合宿に来たような懐かしい感じが味わえますし、ライブ会場から最も近い宿泊地ということもあって、現場にいち早く駆けつけることができます。
ちなみに私はフジロックをきっかけにアウトドアにもハマってしまって、日常的にもキャンプへでかけるようになりました。
身も心もフジロックに染まりたいのならキャンプは最良の選択肢です。
新しい体験は私たちの人生をより良くするためのスパイスであり、ぜひとも一度は体験し、身も心もフジロックにゆだねてみてください。
一期一会の出会いがあるかも
実は今の妻はフジロックをきっかけに大恋愛の末にゴールインしました!
なんてロマンのある体験を語れれば良いのですが、実際の私の経験はもっと地味なものです(^_^;)
はじめてのソロキャンプでテントを設営していたところ、ゴム製のハンマーを持ってきてしまい、ペグが上手く打てず、困り果てていました。
そうするとおとなりさんがハンマーを貸してくれて、なんとか設営することができました。
その方は恐らく40代前後の私よりひとまわりくらい年上の男性で、小学校に入るくらいの娘さん2人を連れていました。
ただでさえお子さんの世話で大変だろうに、周りを助ける心の余裕があって素直にすごいなーと当時は心打たれた次第です。
お礼にお菓子を差し入れさせて頂いて話をするようになり、撤収の日の朝には手作りのホットサンドまでごちそうになってしまいました。ホントお世話になりっぱなし。
こうした経験から、フジロックで困っている人がいたらできる限り手を差し伸べようと思えるようになりましたし、そういう人が少しでも増えればいいなと思っています。
あなたにもこうした一期一会の出会いがフジロックで訪れるかもしれませんよ。
不便さを乗り越えたからこそ味わえる感動がある
ここまでフジロックの楽しいところばかり書いてきましたが、会場が山奥ということもあり、実際のところ不便なことは山ほどあります。
つねに天候を心配しなければいけないし、トイレの数が限られているので余裕を持って行動しなければなりません。
私自身、はじめて行ったフジロックでは大雨でテントが浸水するなど、散々な目に会いました。
そんな経験をしたのにも関わらず、毎年欠かさずフジロックに参加する自分がいます。
なんでわざわざ自分を過酷な環境に置いてまでフジロックに行くのか?その理由は大きなハードルを乗り越えて味わった感動は特別に感じたからです。
こればかりは本当に行った人しか分からない感覚であり、とにかく行ってみて!としか言いようがありません(^_^;)
フジロックに多少の不便はつきものですが、しっかりと装備を整えれば問題ありません。フジロックに行く際の持ち物は以下をご参考ください。
フジロックの持ち物リスト:ライブ会場&キャンプで必要なモノ60選
どこで何に感動するかはあなたの自由
ここまで付き合って頂いたあなたへ、最後にフジロックの最大の魅力を伝えたいと思います。それはどこで何に感動するかは全てあなたの自由ということです。
好きなアーティストのパフォーマンスはもちろん、天候の移り変わり、そこに集う人間模様など、フジロックではちょっとしたことに心が動かされます。
自分自身の心の動きが繊細に感じ取れるのとても心地良く、この感覚を得たいがゆえに、毎年多くの人がフジロックを目指すのではないでしょうか。
感動のポイントは人それぞれであり、あなたの心を制限するものはどこにもありません。
そんな自由な世界にぜひ飛び込んでみてください。
きっとあなたの経験したことのない素晴らしい世界が広がっていますよ。